障碍者問題全国交流会に参加しました。
皆さんこんにちは。
広報部の宮川です。
リペアサービスは、今月から有人チャットの本格的なテスト稼働が始まりました。
チャットのオペレーターは、
働きづらい方々(障がい者や親族の介護で外出が自由に出来ない方、
その他様々な理由で働くことが難しい方々)にお願いしようと動いています。
その為に、稼働当初は教育マニュアル・対応マニュアルを走りながら作成する為に、
主婦やダブルワークを中心とした方々に協力を頂きながら対応しています。
働きづらい方々をチャットのオペレーターにとの熱い想いは、
弊社代表富田の熱い想いから始まりました。
(有人チャットの詳細についてはコチラの記事から)
代表富田は以前より、自社での障がい者採用を積極的に行うとともに、
社会全体での障がい者採用に関して知るべく、
中小企業家同友会の障がい者問題委員会に参加しております。
今回は、障がい者採用を始めたきっかけについてや、
昨年10月に名古屋で行われた、
「第22回障碍者問題全国交流会in愛知」の感想や、
今後の意気込みについてインタビューしてみました。
※Q:そもそも障がい者採用を始めた(しようと思った)きっかけや経緯は?
A:2017年に前年まで好調だった社員募集に全く反応が無くなったからです。
兎に角様変わりともいえる状況で、
例えば2016年までは新卒募集の為の合同企業説明会を行うと、
30人以上がブースに来てくれ、そのうち10数名が面接になって、
その中から2~3名を採用することが出来るなんていう、
社員募集に困ることがなかったような状態でした。
それが急に合同企業説明会に来てくれる学生が来なくなり、
面接に至るのはほぼ0名という状況になってしまいました。
中途採用も同様で、2017年には色々な媒体に募集を出しても
数名の反応しかなくなり、面接をしても年齢的や職歴などを見て、
明らかに事務職は難しそうな方しか来なくなりました。
だけどこの頃はサービス提供世帯数が増えるは、
同時に対応すべき案件数は増えるはという状況だったので、
社長としては何とか兎に角何とかしなければなりませんでした。
そんな行き詰った状況の中で浮かんできたのが、
成澤俊輔さん(NPO法人FDA理事長)に聞いた
「色々な働き辛い環境下にある人に、
働きやすい環境を提供するプラットホームを創りたい」
という言葉と、大久保寛司さんの「他人にはそうする理由がある」
「指を自分に向ける」という言葉が浮かびました。
そう考えると、それまでの募集は「9時間拘束8時間労働」だったり、
「一人に1~10まで対応できる人」だったりという募集は、
全く会社都合=人に指を向けた募集でしかないんじゃないかなって思ったんです。
その頃はまだあまり障がい者の人たちのことは知ってはいませんでしたが、
新聞やテレビでは色んな能力がありながら、8時間は働けないけど、
短い時間だったり働き方を工夫すれば働くことが出来る有能な人はいるはずだと思い、
その年(2017年)の事業計画発表会で、
雇用の対象を障がい者やシニアを始めとする「働き辛い環境下にある人」にも広げる!
と発表したというのが経過です。
※Q:交流会に参加したきっかけは?
A:障がい者の雇用をすることになったので、既に入会していた
中小企業家同友会の「障がい者問題委員会」という委員会に参加をしました。
少しでも障がい者のことや取り巻く環境、特性なんかを知らなくちゃと考えたからです。
その委員会に、同じ地区会に所属していた草の実会の手塚理事長という方がおり、
滋賀県で行われた中小企業家同友会の
「全国障がい者問題委員会全国交流会=障全交」誘われて、
半ばお付き合いで参加をしたのがきっかけになるかもしれません。
ところが参加をしてみると、自分みたいに
自分の都合だけで障碍者の雇用に取り組んでいるのではなく、
同友会の「人を大切にする経営」を目指すという、経営者としての
「あるべき姿」「目指す姿勢」「取り組む意義」等という、
非常に深い考えや熱い想いを持っている人たちの集まりだったんだ。
自分が思い描いていた者とは大きく異なり、
何となく気恥ずかしい想いをしたのを覚えてます。
そこから、自分も意識を持ち替えて障がい者を始めとする
「働き辛い環境下にある人達」の雇用という観点から、
経営者としてどうあるべきかと考えるようになりました。
そのため、今回も日本全国の委員会や
障がい者雇用に意識を持った方達との交流で、
取組みの事例や意義、想いをお聞きし、
リペアに取り込めるような事例がないかや、
意義や意味の更なる落とし込み、
知らなかった気付かなかった障がい者を取り巻く環境の実態なんかを
少しでも吸収したいと思って参加しました。
※Q:交流会での内容を大雑把でいいので教えて下さい。
A:今回の交流会は、基調講演、分科会、懇親会、
翌日のパネルトークという流れでした。
基調講演は株式会社浅井製作所浅井社長の話でした。その内容としては
・初めはボランティア的な考えのもとに雇用を始めた。
だからプレスなどの危険な事はさせない等実践力として考えられず、
結果「働き甲斐」を提供できなかった。⇒失敗に終わった
数年後、ある契機から社員から雇用の依頼があった。再度雇用に取り組んで、
今度は何ができるかの視点で考えて、
ゴミの分別の担当として働いてもらっている。
始めは中々分別の仕方やゴミの量等を理解してもらえなかったが、
責任者が色々な工夫をして教えた結果、
今では社内の誰よりも早く正確に分別廃棄をしてくれて、
なくてはならない存在になった。
今は少しずつ業務範囲も広がってくるようになっている。
・障がい者は守るべき相手ではなく、共に歩むパートナー。
パートナーになるに従いみんなの意識も変わって世に方が変わった
=うちの障がい者の子⇒うちの障がい者の〇〇君⇒うちの○○君
分科会は自分も含めて9人の人との話し合いでした。
印象に残った言葉としては、
・故人となった杉浦氏という方が会社の朝礼で、
人はその気になったから、4足歩行から2足歩行になった。
ではなぜその気になったのか?と社員に聞いた。
皆一瞬戸惑った中で、知的障害のある子が即答で
「幸せになりたかったから!」と答えた。
その故人となった方は、常に「人は幸せになりたいから働くんだ」
と口癖のように言っていた。
・日本の障がい者は1千万人以上いるという。
しかし雇用をされている障がい者は、そのうちたった60万人しかいない
雇用されている障がい者は僅か6%というエリート集団となっているのが現実。
・知らないから見える壁がある。しかし知ることでその壁は見えなくなる
・障がい者問題を考えることは、同友会の「人を大切にする経営」
という理念の1丁目1番地。
パネルディスカッションでは
・企業規模が大きいと障がい者雇用率が高いが、
43人~100人規模の企業の90%が法定雇用率未達成
⇒これは企業の問題なのか、社会の問題なのか。
・女性雇用が障がい者雇用に繋がった。
・障がい者雇用が生み出す会社の風土=多様性を認めることで、
自分も認めてもらえるという風土が出来上がっていく
・出来ない事ではなく、出来ることを探す。
以上が私のメモの一部です。
※Q:交流会の内容で、印象に残った事(内容)をお願いします。
A:最も印象に残ったのは、元愛知同友会障がい者問題委員会委員長だった、
先述にもある「真和建装杉浦会長」のことです
氏は今回の愛知障全交に、全国の多くの方に集まってもらいたいという想いで、
全国の同友会を回っている途中、九州で亡くなられた方。
自分もお会いして、障がい者雇用にかける熱い想いを直接お聞きしました。
その方の言葉で「障がい者雇用は見えない生産性を生む」、
「「一社一人の障がい者との関わり」というのは響きました。
本当に命がけで障がい者を取り巻く問題に
取り組んでいらっしゃったのだと思います。
胸が熱くなると同時に、自分ももっと
「働き辛い環境下にある方」への取組みに真剣になろうと思いました。
※Q:最後に今後の意気込みをお願いします。
A:今月から本格的なテスト稼働となる、有人チャットもその一つですが、
少しでも「働き辛い環境下の方」に雇用の場を提供できるように、
一つ一つ課題をクリアしていきたいと思います。
改めて、いい学びと刺激をもらった障全交でした。